悪魔が来りて笛を吹く ドラマ感想

気がつけばオンエアが終わって2週間がたとうとしています。なかなか時間がなくて感想が書けませんでした。しかも見直している時間もないので初見の感想を書かせていただきます。

 

前回の「女王蜂」での反省を生かして、今回はドラマ前に原作を読み終えることができました。原作を見た後にドラマを見ることはできても、ドラマを見た後に原作を読む気にはなかなかなれません。そして今回原作を読んでからドラマを見て思ったことは「けっこう忠実にやっているな」ということでした。でも一方で星監督の趣味も満載の金田一だったと思いました。そもそも金田一がフルートの謎を解き明かすために自分でフルートを吹いていたのはファンサービス以外の何者でもなかったのではないでしょうか。横溝先生の家やバラックで吹いているのはまだわかるとして、屋根の上でフルートを吹かせたのは絶対に監督の趣味です。まずもって屋根の上で吹く必要性はないですし。屋根の上なんて「ソムリエ」かと(でもまだ第1話しか見たことない)今回の金田一でいい意味で「こいつは趣味が悪い」と思ったのが、警察で代数をもとにした謎解きをしているところです。A=X、B=XならA=Bの謎を解いて「ははっ」と一瞬笑ったところがあったのですが、それを見て金田一は心の底から謎解きを楽しんでいるんだなと思いました。あと椿家に入ろうとして野次馬に巻き込まれてくるくる回っているのがおかしかったです。

 

最後の謎解きは三島役の成宮君がよかったです。メイキングで吾郎さんも言ってましたけど、ちゃんと戦後の格好をすると戦後の人みたいに見えるというのにうなずいてました。榎木さんの椿子爵もよかったです。「悪魔が来りて笛を吹く」の作曲シーンは怖かったし迫力がありました。今回は稲垣金田一のお約束ともいえる本とか、最後の横溝先生の執筆シーン(一説によると小日向さんが裏番組出ていたとか)がなかったのが残念でした。ひそかに楽しみにしているのです。あと橘署長は署長じゃないなら何になったのかは永遠の謎ですか。

 

ドラマの感想を文章にしていて思ったのが女性陣の印象が薄いなということ。最初の菊江さんと玉虫伯爵にはびっくりしたけど、その後は特になかったし。あと一彦の見た目とか雰囲気が陣内明智の小林少年を演じていた黒田勇樹っぽいと思いました。

 

ずいぶんと長くなってしまいました。

 以下、原作のネタバレが含まれます(まだ続きます)

ドラマを見ていて不思議だったのが、最初の玉虫伯爵の事件が起こった後わりとあっさりと須磨に行ってしまったように感じたことでした。その謎が解けたのは謎解きのシーンでした。あの砂占いの部屋の密室トリックがばっさりカットになっていたことにそこまで気づかなかったのです。あれがないからあっさりと須磨に謎が隠されているところまで行ってしまったのでした。原作読んだにも関わらず気づかなかった自分が情けなさ過ぎます。でも一方であの密室トリックがなくても話として成立してしまうのかと妙な感心もしてました。もちろん原作にこだわりがある方には許せないことなのはよく分かってますけど。きっと先にドラマを見ていたら原作に密室トリックがあることを知って驚いたんだろうと思います。 

あとあき子さんが殺されませんでしたね。でもあき子が殺される為にはもう一つエピソードが必要になるから仕方ないのかもしれません。鎌倉の別荘というのは話に出てきてましたけどね。ドラマの関係図などを見ると利彦と玉虫伯爵は親子の関係になっていますが、原作だと利彦は新宮という名字です。ドラマの中で明確に名字の解説がなかった気がするんですが気のせいでしょうか。見返さないと分からないな。